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ナナちゃん

作:瞳

君は、ここに元気にまだ立っているんだね。私は歳をとって体も心も老いていくのに私と違って君は、どんどんおしゃれになって綺麗になって、ますます世間から注目されて活躍している。いつまで活躍をするの。君の存在を知った頃の私は、若かった。君も若かったけどそのうち君はここからいなくなると思っていた。少なくとも私より早く。なのに君は、君の意志とは別の予想外の展開で、君の名前の由来の店が無くなっても君は不思議に存在している。今思うと君は、昔から達観していたね。君の足元に人がまとわりついていても。どんなに時代が変化しても。世の中は、なるようにしかならない。そんな風に思っているように思えた。でも、私は、裸で立っていた若かったあの頃の君に会いたい。あの頃に戻りたい。そして、君に言うんだ。「君は将来名古屋のガイドブックに載るようになるよ。綺麗な洋服を着て時代や季節、流行を発信するようになるよ。」そしたら、君はなんて言うんだろう。「そうなのですか」淡々と答えるのだろうか? 駆け抜けていく、いくつもの季節。君と私。どちらがこの先、沢山経験できるのだろう。

ナナちゃん