わたしと宇宙のはなし
クーラーが効いた車の中、後部座席の窓から夏の日差しが真っ直ぐに
入り込んでくる。今日はいい天気だ。私は大好きな科学館に行けることが
嬉しくて、小学校で作った星座早見盤を持ちながら足をバタつかせてい
た。車を科学館近くのパーキングに停めた後、私はお父さんと手をつない
で、遠くに輝く銀色のドームを目指して白川公園を歩いていく。私は今か
らあの中に入って、たくさんの星を見るのだ。汗だくになりながら科学館
に入って、極寒の部屋で涼み、いろんな物の匂いをかぐことができるコー
ナで遊んだあと、いよいよ楽しみにしていたプラネタリウムに入った。プラ
ネタリウムが始まると、頭上に星たちがつぎつぎに現れて、キラキラと輝
いている。星が増えるたびにどんどんと吸い込まれていき、自分が宇宙
にいるような気分になった。
ふわふわした気持ちのままで車に乗りこみ、後部座席であお向けにな
りながら、お父さんと今日教えてもらった星座の話をした。「デネブはおな
らで覚えるんだよ。デネぶー!おならぶー!」お父さんは苦笑していたが、
私が話すことをずっと楽しそうに聞いてくれていた。
ふと、窓の外を見ると栄の街灯がキラキラと輝いていた。車が進むたびに
光がビューンビューンと線になって、自分がロケットに乗っているような
気がした。私たちは宇宙飛行士で、お父さんと一緒にどこまでも続く宇宙
を旅した。ときには新しい星をみつけたし、ときには宇宙人と握手をした。
そして、宇宙の先には…
「ついたよ」お父さんが運転席から声をかけてきた。眠い目を擦りなが
ら起き上がると、もう車は家の前に停まっていて、長いようで短い宇宙の
旅は終わったようだった。車から降りて、顔を上げると、夜空に星たちがキ
ラキラと輝いていた。今はまだ見上げることしかできないけど、いつかこ
の夜空を飛び越えて、本当の宇宙に行けるといいな。
作品の短評
オケ太郎
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